ひろすけ童話賞受賞作品

  

第29回ひろすけ童話賞(平成30年度)

『ツトムとネコのひのようじん』 作・にしかわおさむ / 小峰書店

あらすじ

 オカッパ頭の元気な男の子・ツトムが主人公の短編集。ツトムのまわりで起きる、ちょっと不思議なできごとを描く。
 ある寒い冬の日、おばさんの家に泊まっていたツトム。真夜中にふと目を覚まし、おばさんとストーブにあたっていると、どこか遠くから「火の用心」の掛け声が聞こえてくる。「ひのよーじん、ニャーニャー、ひのよーじん、ニャーニャー」。ツトムがドキドキしながらカーテンをめくると、通りの向こうからネコの行列が歩いてきた…。
 表題作『ネコのひのようじん』を始め、ツトムの手にとまった、不思議なトンボの話『あかトンボ』、公園のブランコで会った女の子の正体は…「ねむのきこうえんのおんなのこ」など、前作『ツトムとでんしゃのかみさま』に続き、今回は秋と冬を舞台にした、どこかノスタルジックな6つの物語。

受賞者プロフィール

1940年福岡県に生まれる。絵本作家・画家。武蔵野美術大学デザイン科卒業の後、長崎の民間放送局で美術の仕事を得て8年ほど勤務。こどもの本を描きたくて30歳を越えてふたたび上京、現在に至っている。作品のほとんどは幼い男の子が主人公で、まわりに子犬やおばけ、おおらかな父親と母親、たのもしいオジサンといった構成が特徴となっている。

著作リスト

絵本作品
『大だこマストン』シリーズ(ぎょうせい)
『ぶたさんとねずみさん』(ぎょうせい)
『おばけとこどものおうさま』(PHP研究所)【ボローニャ国際児童図書展エルバ賞】
『ミイラくんあそぼうよ』(PHP研究所)
『ノックがとんとん』(PHP研究所)
『おとうさんとさんぽ』(教育画劇)
『ツトムとまほうのバス』(教育画劇)
『ツトムくんのさんぱつ』(童心社)
『こぐまと二ひきのまもの』(童心社)
『おじいさんと10ぴきのおばけシリーズ』(ひかりのくに)
『どのくらいおおきいかっていうとね』(偕成社)
など

挿絵作品
『ハナさんのおきゃくさま』(福音館書店)
『ネッシーのおむこさん』(金の星社)
『かえるのおねがい』(フレーベル館)
『うさぎのぱんとぶたのぱん』(小峰書店)
『こうさぎのジャムつくり』(フレーベル館)
など

受賞者のことば

このたび、「第29回 ひろすけ童話賞」という大変名誉な賞をいただき、感謝にたえません。この世界に入ってからの長い年月、賞というものにはほとんど縁がなく、私の個人的なノスタルジーを詰め込んだ、こんな小さな物語を皆さんが評価してくださったこと、しみじみと嬉しく思います。これから先の作品作りに、大変励みになりました。心からお礼を申し上げます。