ひろすけ童話賞受賞作品

  

第27回ひろすけ童話賞(平成28年度)

『おならくらげ』 作・ささきあり / フレーベル館

あらすじ

小学2年生のヒロキは、同級生のカンタに「のろま」と言われるし、みんなから笑われるしと、何をやってもうまくいかずしょんぼり。

自分がいやだ、カンタなんてきらいだ!とおふろで思ったとたん、おならがぶぷう!出てきたおならがしゃべり出して、ヒロキはびっくり。そいつは〈おならくらげ〉と名乗り、ヒロキを応援しようと思って、心の中から出てきた、と言って消えた。

つぎの日、ヒロキが教室でおならくらげを出してしまい、それを見たクラスのみんなもおならもくらげを出していっぱいになった。

カンタだけ、おならくらげが見えず、ヒロキをうそつき扱いするが、ヒロキはおならくらげに応援され、勇気を出してカンタにはじめて意見を言う。そのおかげで、カンタのおならくらげが現れ、カンタの心のうちを明かす。ヒロキはカンタの気持ちを知り、カンタもすっきりした気分になる。おならくらげは、みんなを応援する言葉を言って消えていき、教室にはおならのにおいと、みんなの笑顔が残ったのだった。

受賞者プロフィール

1969年、千葉県生まれ。出版社勤務後、フリーランスの編集記者となる。著書に『ふくろう茶房のライちゃん』(佼成出版社)『せんそうってなんだったの?』『父ののこした絵日記』(学研)、『おんなのこ めいさくえほん』シリーズ(西東社)などがある。日本文芸家協会会員。

著作リスト

『おならくらげ』(フレーベル館)

『ふくろう茶房のライちゃん』(佼成出版社)

『せんそうってなんだったの?第二期 父ののこした絵日記』(学研)

『おんなのこ めいさくえほん』シリーズ(西東社)

『親子でわくわく 日本むかしばなし絵本』(西東社)

『はじめての えいごえほん』せかいのおはなし①、にほんのおはなし②(くもん出版)

ホームページ http://sasakiari.com

受賞者のことば

創作の海はあまりに広く、どこへ向かったらいいのか、わからなくなることがあります。そんなとき、浜田広介先生の「児童文芸は児童のために、良心を土台にして作り出されるもの」という言葉を、灯台にしてきました。本賞を賜ったことで、それでいいんだと、言っていただけたように感じています。広い海を行くのは不安もありますが、次の港を目指して、たゆまず進んでいきたいと思います。